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執筆者の写真探求→究する家 運営スタッフ

2月の活動

更新日:2021年7月27日

2月11日 地域研究:スピンオフ企画 「虚実風景画 街歩き」

愛着が湧く街なかの一場面を表す写真や絵を用意してもらい、それを見せて共有しながらおしゃべりしました。近隣で暮らす、NoRooFの夏井陸さんとお話したことで生まれた企画です。NoRooFは、シェアハウスや会員制ラウンジの運営やイベントの企画などを行う20代の集まりで、池袋で暮らすこと、それ自体の総合的なブランディングを目指しています。


綺麗な植木鉢よりも、ぼろぼろの植木鉢のほうがその場所に馴染んでいる感じがして愛着が湧くなど、「新しくて清潔」という基準とは違うところにポイントがありそうです。渋谷のスクランブル交差点や大きな駅の通路は、学校や仕事に加え友人と遊ぶときも通る場所のため、さまざまな思い出が宿ります。写真には撮れないけれど、個人的な記憶がいくつも頭に浮かぶ場所です。昔のヨーロッパにあった、橋の上に並ぶ家々の画像を持ってきたひともいました。フランス語では、Pont bâti(増築された橋)あるいはPont habité(暮らせる橋)と呼ばれ、現存するものもあります。


同じ道でも、その風景から関連して思い浮かべるものは人それぞれで、「いいな」と思う風景も人によって違います。もともと、この企画を着想したきっかけは、池袋の道に暗く覆い被さる高速道路を夏井さんがとても気に入っていると話していて驚いたことにあります。



超高層ビルを古い小さなアパートから見上げることに小説と同じドラマを感じたり、高速道路の存在感とその下の歩道の暗さに、あるアニメ作品の世界との重なりを見出して気分が上がるなど、わたしたちは実際の風景をそのまま見ているというよりも、そこに特定の世界観を着せていて、自分が見ている風景は、そうやって虚実が入り混じったものなのかもしれません。その関心について、はっきりとした展開を生むことはできませんでしたが、街、コミュニティ、そしてフィクションによって自分の生活空間が形作られていることについて、引き続き考えたいと思いました。


2月21日 「駄菓子屋・喜怒哀楽」と「たこ焼きパーティ・喜怒哀楽」

地域医療の必要性が叫ばれていますが、これまでの医療制度との違いや連携の仕方を考えたい…そんなことを等身大で模索するべく、ひとまず行動に移してみよう!ということで、何回か遊びにきてくれた理学療法士のかたと一緒にイベントを企画しました。昼間は駄菓子屋、夜はたこ焼き屋です。どちらも盛況でした。


1日の終わりには少し落ち着いて話す場を設け、研修医や、薬学を学んでいるひと、医療事務に携わりながらコミュニティ・ナースの活動に関わっているひとなど、地域で医療を行うことに関心と課題意識を持っている、いろんな立場のひとに出会うことができました。


共同で企画した理学療法士の川邊祐詩さんは、王子にあるシェアハウス・REGIEハウスの住人です(※)。「医療者が集まるシェアハウス REGIE」は王子にあるシェアハウスで、医療者というコンセプトの元に共同生活を営む場所です。医療者と聞くと医者や看護師など限られた職種しか頭に浮かばないかもしれませんが、このシェアハウスでは医療をとても広くとらえ、住民の条件ではなく共有するテーマとして位置付けているため、料理人や研究者も出入りします。


「医療」は、巨大で強固な制度と組織によってワークフローが厳密に定められている営みですが、REGIEは医療の意味を広げて捉えなおそうとしています。これは、「探求→究する家」が研究についてやろうとしていることと似ているかもしれない…と思い、これからも数ヶ月に一度の頻度で交流の機会を設けたいと考えているところです。



(※ 2月当時のこと。今年の春からは、湘南のほうに引っ越して、高齢者介護に携わり、イベント開催などでREGIEに関わっています。)



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